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日本人は変化に抗うため、日本企業の変革は不可能と見る向きも多いが、それは間違っている。日本でもいくつか条件さえ揃えば、どんな変革でもできる。日本では、変革をシンプルにし、しっかりと説明を行ない、人々の気持ちを変革に向けさせる必要があるのだ。それができれば日本では何でもできる。 私の経験では、日本ほど変革をやりやすい国はない。日本人は変革の内容と理由を理解するのには時間をかけるが、一度理解すれば実行は早い。例えば日産の業績転換は、実に注目に値する成果だった。私が1999年に最高執行責任者(COO)に就任したとき、日産は私の知る限り最も人に冷たく、消極的で保守的な会社のひとつだった。しかも労働組合との関係が極めて難しかった。 しかし2年ほどの間に、この状況は完全に転換した。私が着任したとき、既に日産が資金不足に直面していたことが、私の採れる方策に大きく影響した。この問題がもたらす危機感が、なすべきことを実行する後押しをしたのだ。日産の業績転換は私の功績ではない。日産の従業員全員によるチームワークがやり遂げたのである。 ただしそのために、私は会社が置かれた状況と、なぜ変革が必要なのかを説明するのに多くの労力を費やした。従業員は私の言うことに耳を傾け、理解し、「やらねばならない理由も、それが自分のためになることも分かりました」と言うに至った。このアプローチで変革に取り組めば、やりたいと思うことは何でもできるというのが、私の日本での経験なのである。